Works >> house
新興住宅団地の一角に計画された1000万円台の家である。計画時には一軒も隣近所には建っていなかったが着工時には雨後の筍のようにハウスメーカーの住宅で埋め尽くされて行った。敷地境界線から外壁面後退距離1m確保という地区計画の決まりによって生ずる妙な残地を極力とらないように配置を検討した。敷地中央に長方形の建物を配置、前後に駐車スペースと庭を取り、壁面短辺方向を境界沿いにすることで残地を少なくした。平面は諸室をすべてパラレルに配置し、必要とするプライバシーの度合いにより空間の繋がりを可変にした。様々な条件で使い分けのできる空間を単純化した片流れの屋根の下に配置した。光や風など身体を取り巻く基本的・実利的条件から建主の新しい生活に対する期待までも含め、心地良い住空間の在り方を探った。